西陽

朝起きて、トーストを1枚とコーヒーの朝食。眠りについたのは明け方だったので、ぼんやりしながら駅まで歩く。荒天運休の影響で私の乗ったJRは大混雑。
ぎりぎりで職場に着き、仕事を始める。昼休みは銀行と郵便局に出かける用事があったので、昼食は戻って来てから。窓のない、薬に囲まれた部屋でパソコンとにらめっこしながらサンドイッチをパクつく。同僚と他愛のない話をする。仕事が終わるとバスに駆け込み乗車。帰り道で買い物。思い荷物を抱えながら、雪の獣道と化した歩道を辿り、家に帰る。夕食をひとり食べ、娘の帰りを待つ。一緒にテレビを観て、ひと息ついた今。
まったくいつもと変わらない1日。
そんな今日、お母さん、お父さん、子供、爺ちゃんか婆ちゃんの命日という人が、きっとたくさんいるのでしょう。2年前のあの日から、当たり前の日常が、突然にして様変わりしてしまったという方たちが。


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週末からテレビでは震災の特集をいくつのも番組が取り上げられ、私もそれをどれを見ればいいのか分からず、チャンネルを変えながらも、見た。
娘のお友達が、最近ボランティアで被災地に行き、「これは実際に行かなきゃ分からない」と言ったそう。2年も経った今の言葉。
私は現地に行く事は出来なかったし、ただテレビを見て新聞を読んで、人の話を聞くだけしか出来ない。
コメンテーターの意見に流されたり、悲惨な光景に憂い、自分が子供の頃過ごしたいわきの港町に想いを馳せるだけ。なんの力もないオバサンは、何も意見しちゃいけないのか、ただ腫れ物に触るように、不幸に同情してればいいのだろうか。風化が進んでいるとは言うけれど、私達オバサンたちの井戸端会議でも、みな意見を持って話したりしている。子供たちや、その将来を案じて、オバサンながらに真剣に話したりしている。

日々の暮らしを全うするのに必死で、忘れてはならない事を忘れてしまいそうになる。そんなとき、声を上げてくれる人、気づかせてくれる人達にいて、そこから誰かへ、私に、同僚に、友達に、娘に。



あの2年前の事と復興を考える時、私はどうしても富良野や美瑛の丘を思い出す。
1926年の十勝岳の噴火、泥流災害、大変な苦労で開拓開墾した大地が一瞬にして死の海を化してしまった大災害。
泥流は山津波。家も人も畑も線路も押し流してしまった。無理な硫黄鉱山の操業もその原因と言われていることも、今回の震災原発被害が私には微かに重なる。
絶望的な状況の中、土地を諦め村を放棄しようという声も上がったが、当時の上富良野村長の吉田貞次郎は村を捨てずに復興を決意した。その後の苦労は、開拓と同じかそれ以上もものだったと思う。
そして今、カメラマンたちを魅了するあのうねりを持った美しい丘の景色となっている。

災害の規模も、被害も違ったものだけど、どうしても私は、あの震災と十勝岳の噴火を全く別のものとは考えられない。
北海道民はその開拓精神の血を受け継ぐ人たちなのだから、きっとこの震災、復興も他人事とは思わず、自分に置き換え、忘れることはないはずだと思う。




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達磨さん。私は子供の頃から動物が好きで、特に馬にすごく憧れていた。いつか乗れることが出来たのなら・・・(北海道と違って馬なんて、そう簡単に触れ合える環境ではなかった)と、片目に目を入れた。実際のところは、母の社員旅行で清里に行き、観光牧場で引き馬に乗る事が出来て、思ったより早く両目が入ったのだけど。
先月、娘の受験合格祈願に川崎大師で達磨をひとつ買った。片目に目を入れ、合格出来たら両目を。そして、この達磨も、無事に両目が入れられる日が来た。
願いを込めて目を入れ、転んでも立ち上がる達磨さん。何度でも立ち上がって欲しいです。東北も、日本も。



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西陽は、平穏の象徴。日暮を待つ。トーストから始まり、ブログを更新して眠りにつく。この穏やかな日常を送れることの幸せをかみしめ、辛い思いをなさった人々にも、暖かい西陽があたりますように。
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by hokulele2 | 2013-03-11 23:19 | 日常 | Trackback | Comments(6)
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Commented by ゆんぐ at 2013-03-12 20:16 x
そうね、毎年この頃になると平凡な毎日がどんなに尊いものかを思い知らされるよね。
親子、夫婦、友達・・・etc との絆の大切さも。
私も生活に追われて何もできない歯がゆさに悔し涙ですが、これからもできることから、やっていくしかないと思っています。
Commented by hokulele2 at 2013-03-13 02:37
ゆんぐちゃん
忘れてしまうことの罪、知らなかったことの愚鈍。
世の中の問題の当事者になるはとんど事はなく
その痛みを知るということは、大変難しいようです。
日本の社会を変えてしまった震災という大きな傷に隠れて、風化し埋もれてしまったまだ傷の癒えないたくさんの事実もたくさんあるし。
他人事とういのが、一番の罪だと思います。
Commented by J@空色CM、時々緋色 at 2013-03-14 19:30 x
めぐちゃんはいわき出身だったね。子どもの頃に見たふるさとの光景をいつまでも大事に、胸にしまっておいてください。

東日本大震災から2年経って私が思った事・・・
被災された方々の多くは「風化してきてる」と感じて精神的に弱ってるそうだから、
「そんな事ないよ」と励ましてあげた方がいい。
そのために、それぞれができる事をするのがいい。
放送局は放送で、政治家は政治で、映画監督は映画で、
ボランティアできる人はボランティアで、お金持ちはお金で、
ブロガーはブログで。
それぞれが自分らしい視点、自分らしい方法でいいと思う。
めぐちゃんはしてます。
もし震災について何も語らない人がいても責める事は誰にもできない。
人の心はとても繊細で複雑だから、傷付いてる人をまた傷付けないように発言するには言葉を慎重に選ばなければならない。それは簡単ではないから、断念してしまう人もいるだろう。
自分の生活で手一杯、という人もいるだろうし、
あまりにも辛すぎて震災を直視できない人もいるだろう。
周りに無関心な人がいるなら、もっと関心を持ってもらえるように何かすればいい。
自分らしい視点、自分らしい方法で。
Commented by hokulele2 at 2013-03-15 01:22
Jちゃん
そうだね。
私の気持ちは何の役に立つかわからない微力だけど
自分に出来る事は、自分なりにやってます。人に言うことではないから
それが役に立つことかどうか分からないけど、考えています。
忘れちゃならないこと、気づいていないふりしちゃダメな事、あるよね。
知らなかった事を知った時、それを誰かに伝えるには、私にとってブログでは難しいこと。
だから、友達とも話す、プライベートと趣味や嗜好を分けるって人もいるとは思うけど、
私は産業遺産や写真のことでは意気投合出来ない友達にも、普段から感じた事を伝えたり、意見を聞いたりしています。
Jちゃんは、ブログで本当に真摯に誠実に表現していて、たくさんの人に影響を与えているね。
それが私が以前から尊敬しているって意味なのよ。
これからもたくさんお話しよ!
私にも何か出来る事があれば、力貸して下さいね(^^♪
Commented by J@空色CM、時々緋色 at 2013-03-15 11:36 x
めぐちゃんもきちんと考えてブログで発言してると思うよ。
ブログじゃなくても、友だちや職場の人と話す事も大切だよね。
私はあまり外の人と話す機会が無いから、2つのブログで独り言をブツブツ言ってます。
めぐちゃんが言うほど真摯でも誠実でもないし、そんなに影響なんてないと思うよ。
自分から何か行動を起こす事もまず無いし(^^ゞ
でも何も言わないとモヤモヤして気持ち悪いから。
縁があってブログを見に来てくれた方々に、何か僅かでも伝わればいいのかな、と
思って書いてます。
また今度めぐちゃんとお話しできる日を楽しみにしてます。
でも私、いざ会ったらあまり話せない。めぐちゃんの話を聞く方がいいです(^v^)
Commented by hokulele2 at 2013-03-16 03:57
Jちゃん
いえいえ、私はテキトー!
このブログに辿り着く人なんて、知り合いか相当マニアックなひとか、物好きな人くらいでしょう(笑)
公開しておきながらなんですが、基本は自分用の想い出忘備録だしね。
しかも文章なんて、超思いつきでダーッと書くから、読み返すと恥ずかしくて顔に火がつきそうになるわ。
でもそれが日記だものね。その時も思いも書き留めておくのもね。
私のしょーもない嗜好や思考になにかピンと来てくれた人がいたのなら
是非、そのご縁を大切にしたいなと思います。
そして、それは違うよとその考えは間違っているよという指摘があれば、
ありがたく頂戴したいなと思いますね。これからの年齢は、ほっとけば頑なになりがちだと思うから、いろんな意見や考え方を受け入れるようにしたいな。
写真も言葉も考えも、人の評価は気にせずに正直本音で今あるもので、ここの載せたいね。まずはね。
なんだか、ブログってものを真剣に考えてしまったよ。ありがとう、Jちゃん(^^♪
私たちにでも出来る事、模索して、やりましょー!



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